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明暗くっきり分かれる外食産業。コロナ禍で勝ち組負け組の差が広がるビジネスモデル

苦境が続く外食産業

新型コロナウイルスの猛威は各業界に大打撃を与えた。特に外食産業の経済活動の停滞は著しく、多くの企業が業績低迷に陥った。しかし個社ごとに見れば、業績回復のペースに大きな差があり、その格差は今後の企業経営に大きな差が生じるとみられる。イタリアンファミレス大手チェーンを経営するサイゼリヤは、11年ぶりの赤字決算に沈んだ。反対に勝ち組の筆頭はコメダホールディングスで営業利益率は19%と高い利益率をコロナ禍の中においてもキープした。

 

 

フランチャイズ比率から見える「固定費負担のしわ寄せ」

苦境と叫ばれる外食チェーンにおいて、勝ち組になっているのはフランチャイズ比率の高い企業である。対して直営店舗を多く展開する企業は、固定費の負担に苦しみ、利益率が伸び悩む傾向にある。フランチャイズ店舗を主体に全国展開する「珈琲所コメダ珈琲店」のコメダホールディングスは、国内の約880店舗のうち直営店はわずか38店舗。フランチャイズ比率は96%に及ぶ。売上高は前期比で12%減収の135億円だが営業利益は19%の24億円で営業黒字を確保している。コメダホールディングスの売上の70%以上を占めるのが、フランチャイズ店舗へのコーヒーやパンの卸売り販売であり、“卸売業者”と化したことが功を奏した。粗利率は低いものの、直営店が少ない分、人件費や地家賃などの固定費が圧倒的に低く、コロナ禍における最大のネックと言えた固定費のハードルをクリアした。

対照的に、直営店が主体の外食企業は営業赤字が続出。代表的なのはサイゼリヤで国内の約1000店舗すべてを直営経営している。2020年8月決算においては11年ぶりの最終赤字に転落、売上高は前期比19%減の1268億円、営業利益は38億円の営業赤字となった。注目は販管費率で、前年58%だったが2020年8月期には66%に上昇した。全店舗が直営店のため賃料や水道光熱費、人件費などの固定費の削減には限りがあり、売上減少から販管費のパーセンテージは増加してしまった。

 

富山県で勝ち組になるには

不安定な情勢が続く中で見渡せば、フランチャイズ主体のビジネスモデルが優位な局面であると言える。大手企業はいち早くそれを察知し、自らは現場の第一線から手を引く可能性がみられる。そうなった場合、我々地方の経営者も安易にフランチャイズ店舗に手を出してはいけない。大手が担ぎきれなくなった固定費の負担を、地方のフランチャイズオーナーに転嫁したいという魂胆が透けて見えるからである。地方の外食産業においても今後は、単なるフランチャイジーから脱し、己のブランドを「パッケージ」として販売できるフランチャイザーを目指すべきとも言えるだろう。

 

 

参考文献

ダイヤモンド社週刊ダイヤモンド2020/12/05「最新版決算書1000本ノック」