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【開店情報】高岡市に新たに高級食パン店が2店舗オープン。瞬く間に激戦区に

・県内高級食パン店の出店状況

1斤1,000円程度の「高級食パン」専門店が全国的にブームとなり相次いでオープンしている。富山県においては「乃が美(のがみ)」が、2018年~2020年の間に富山市、砺波市、滑川市にそれぞれ進出するほか、「5(ファイブ)」、「一本堂」などが県内の食パン専門店として有名である。「食パン工房春日」は2019年7月に一気に5店舗をオープン(現在は全店閉業)するなど、高級食パンブームは富山県にも到来。流動性が高く競争の激しい市場となっている。

その中で比較的、無風地帯とされていた高岡市であったが、直近で2店舗、高級食パン店の出店があった。

・高級食パン専門店 星乃華 9月18日オープン

・純生食パン工房 HARE/PAN 高岡店 10月2日オープン

星乃華は高岡市に1店舗の地元密着型のパン屋である。対してHARE/PANは30都道府県にまたがるビッグネームだ。両者がほぼ同時に高岡市場に名乗りを上げ、富山県の主要都市における、「高級食パン無風地帯」は狭まりつつある。

富山県にいち早く高級食パンブームを持ち込んだ「乃が美」は、富山市、砺波市、滑川市の計3店舗をオープン。県内2番手都市の高岡市にはオープンしなかった。この市場を魅力的と見た数店舗が軒並み高岡市場に進出している。上写真で見る通り高岡市は直近オープン店舗の商圏の大部分が重なっており激戦が予想される。このほか高岡市下伏間江に本店を置き安定した人気を誇る「5(ファイブ)」や、高級食パンの仕掛人・岸本拓也氏が手掛け、6月に高岡市北島にオープンした「ついに来たね」などが競合店舗となる。

・県内高級食パン店の今後

高級食パンは消費者の「プチ贅沢感」を満たし、日常的な食品から趣向品へのシフトに成功したことで、ここまでのブームとなったものと考えられる。価格と品質の絶妙なバランスが消費者のニーズを満たしたのだが、多くの高級食パンは、柔らかさと甘みを売りにしており、同質化の傾向も目立つ。同じような高級食パンが増えた今、高級食パン店にはその店舗独自の「差別化」が必要不可欠になってくる。もともと「乃が美」がブレイクしたきっかけも、当時業界ではタブーとされていた腰折れするほどの柔らかさによって、商品の差別化ができたからだ。今回は仮設キーワードとして「意思決定」を上げたいと思う。パン屋に行く楽しみの一つとして、どのパンを買うか選択することがあげられる。だが多くの高級食パン店にはそれがない。今の高級食パンは消費者にとって単なる主食ではなく、ケーキに近いものとなった。種類がひとつしかないケーキ屋は多くはない、いや初めのころは多かったかもしれない。それが街中でケーキ屋が増えた現在では各店舗が、さまざまな種類のケーキを用意し、顧客に「意思決定」の機会を提供することで、消費者のニーズに応えているのではないだろうか。もしかしたら高級食パンの今後にもそれが言えるかもしれない。

だが複数メニューを用意することで店の理念を捻じ曲げてしまうケースもあるだろう。では「高級食パン1種類」で売り抜くには何が必要か。それは「品質」と「プロモーション」であると私は考える。どちらも最終的にロイヤル顧客を増やす重要な要素であるからだ。

ブームがブームを呼び趣向品となった高級食パンだが、店舗が増えるにつれ、今度は趣向品から日常品(ある意味定番品)へと逆行の道をたどることとなるだろう。その時に勝ち残る店舗は、必ず「差別化」に成功しなければならない。店舗の理念に沿い「メニュー」「品質」「プロモーション」等、できうる戦略を実行し変革していく必要があるのだ。

 

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